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輸出米は補助金が10アール4万円で日本より安く出荷!なぜ今国内消費に回さないのか?

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現在、小泉農相が、米価格の高騰に加え、米不足への対応策として、おいしく食べることが期待できない3年前のお米を一気に小売店に出して、不足をとりあえずしのぐ対策をしています。

これに関しては、動物のえさで人が食べるものではないとか、5キロ83円で餌として言っていたのに、人に売るとなぜ2000円になるのかと、議員の間でも大炎上しました。

この値段の格差に関しては別記事で紹介しています。

ここでは、輸出米が、現在カリフォルニアで滋賀県産が2000円強でスーパーに並んでいるのに、日本人は古いお米しか手に入らないのか、輸出しないで日本人に回せないのかという問題も疑問視されています。

こちらでは、輸出米はなぜ安く市場に出てるのか、なぜ国内需要に回さないかなどについて説明いたします。

輸出米を国内消費に回さない理由

1. 農業政策の構造的問題

日本の輸出米が国内消費に回されない背景には、長年続いてきた減反政策の影響があります。

減反政策の影響

  • 1971年から2017年まで続いた政策:コメの過剰生産を抑制し、米価を維持するために作付面積を制限
  • 生産量の抑制:国内消費量ぎりぎりの生産に抑えられており、わずかな需給変動で不足が発生
  • 需給の硬直性:供給量に余裕がないため、輸出分を国内に振り向ける余地が限られる

2. 食料自給率向上の戦略

農林水産省は輸出を重要な政策として位置づけています:

輸出拡大の意義

  • 国内米需要の年間約10万トン減少に対応するため
  • 食料自給率・食料自給力の向上を図る手段として
  • 米農家の所得向上を実現する方策として

輸出により国内生産量を増加させ、国内消費仕向量を減少させることで、カロリーベース自給率を向上させる効果があります。

輸出米には助成金があるから安く出荷できる

輸出米が安く出荷できるのは、2022年から水田リノベーション事業で10アール当たり4万円の助成金が受けられるようになったため、国内消費用より助成金の分、安く出荷が可能になっている。

3. 水田農業の維持

適地適産の重要性

  • 水田は稲作が最適な利用法であり、転作作物(麦・大豆)では収量が低い
  • 小麦約450kg/10a、大豆約150kg/10aに対し、米は537kg/10aと高収量
  • 多面的機能の維持:環境保全、生物多様性、「緑のダム」機能

4. 備蓄機能としての役割

輸出米には安上がりな備蓄システムとしての機能がある

あれ?輸出米は、備蓄機能として作っていたの?

じゃあなんで今出さないの?

輸出米の目的が備蓄なら、機能していないという事ですね。

  • 国内需給がタイトになった場合、輸出数量を一時的に減らすことで需給調整が可能
  • 従来の備蓄数量の削減にもつながる効果が期待される

5. 現在の政策転換の動き

2025年の米不足を受けて、政策転換が検討されています:

新たな農業基本計画(2025年4月)

  • コメ輸出量を2030年に7倍以上に拡大(現在4.6万トン→30万トン以上)
  • 輸出分の生産を拡大し、国内で不足した際には国内流通にも活用できるよう生産基盤を強化

将来の計画も大切だけど、現在、国内消費用にさっそく回してほしいですね!

6. 経済的合理性

財政負担の観点

輸出支援の交付金(4万円/10a)は、転作作物への交付金(小麦7.9万円、大豆6.2万円/10a)の半分以下で、より効率的な政策手段となっています。

まとめ

輸出米を国内消費に回さない理由は、単純な選択ではなく、長期的な農業政策の構造的問題にあります。

減反政策により生産量が抑制されてきた結果、需給に余裕がない状況が生まれました。

しかし、2025年の米不足を機に、輸出拡大による生産基盤強化を通じて、平時は輸出、緊急時は国内供給という柔軟な需給調整システムの構築が検討されています。

これは食料安全保障と農業振興を両立させる新たなアプローチとして注目されています。

今年の米不足を将来に行かして、今後は緊急時の備蓄としての機能としての輸出米の利用システムを見直してるのは素晴らしいですね。

おそらくすでに輸出されてしまった分は、事前に輸出が決まっていた分で、緊急対応ができなかったのかもしれません。

今すぐ輸出米とめて、国内に回してほしいですね!

いずれにせよ、輸出米は、減反政策で、緊急時に備蓄米として頼りになるほど余裕のある量ではなかったという事でしょう。

今後は、備蓄機能としての輸出米を増やそうという方向の様です。

今年の失敗を機に、将来に経験を生かしていくのは大切です。

輸出米についてまとめ

今こそ輸出してる場合ではないから、国内消費になぜ回さないのかという疑問が、多く話されていますが、実は輸出米は備蓄目的だったという事はわかりました。

ただ減反のせいで備蓄としての輸出米は期待できるほどないので、今すぐ回せと言われても、緊急時にはもっと輸出米の量が必要だったことが今わかったというところの様です。

また輸出分を国内消費に切り替えるシステムの構築をしっかり組み立てていく必要性も今回見直されたという事です。

という事で、理想は備蓄用としての輸出米だったが、現実は期待できる機能をしなかったという事の様だ。

今後に期待という事で、今すぐに米不足の救世主にはなれなかったという政策の失敗だったという事の様だ。

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